はぐれ

ウエディングのはぐれのレビュー・感想・評価

ウエディング(1978年製作の映画)
3.8
ロバート・アルトマンお得意の群像劇。ブルジョワジー達の乱れた性生活と愛憎入り混じった狂宴をアルトマン節全開で描く。

ひとクセもふたクセもあるキャラクター達を芸達者な役者陣が熱演をしていてそれはそれで素晴らしいのだが、最初に数シーンしか登場しない映画界のファーストクイーンであるリリアン・ギッシュの勾玉のような演技が全てを圧倒してしまう。
窓を眺めながら息子や孫達の帰りを待つ小さい背中は可憐な少女そのもの。しかし振り返ると顔にシワが刻まれ、それが老年の淑女であることがわかるのだがそれでもそのオーラは変わらず幼年期のようなキラキラをまとっている。ホント奇跡的な存在。

カエルや嵐や身内の急逝や交通事故。自然災害的な出来事によって水面に波紋が広がるように登場人物達が躍動をする演出はやっぱりさすが。今自分はアルトマンの映画を観ているんだなーっと実感が出来る幸せな瞬間。
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