このレビューはネタバレを含みます
IKKUのバイト先である定食屋に客として来たTOM。IKKUは勇気を振り絞り、工事現場作業員の格好をしたTOMに対して初めて〝偽りのない等身大のラップ〟をかます。TOMは虚無感を纏いながらもIKKUにラップでアンサーを返す。埼玉県深谷市の定食屋の店内に本気のフリースタイルが響き渡り、二人のリアルヒップホップが遂に始まる。劇中で流れてたBGMがエンディングテーマのトラックってのも涙腺を刺激する。
台詞メモ
「え、方向性ってなんすか？」「西海岸系でいくか、東海岸系でいくかっていうさ」「え、何処のっすか？海ないっすけど埼玉」「いやいや、アメリカの」
「お前んとこ儲かってんだ」「そーっすねぇ。まあ、ブロがいいんすよね」「ブロ？ブラザー？」「いや、ブロッコリーっす」
「てか何その格好お前。笑えんだけど。あれ、もしかしてダンサーデビュー？西校の加賀谷が？ウケんだけど。へーどんな踊りだよ。見てみたいねぇ。デブダンサー？」「ダンサーじゃねぇよ」「じゃあなんだよ」「ラッパーだよ」「そっちの方がウケんだけど。あ、デブラッパー？」「おめぇヒップホップバカにしてんじゃねーぞ。ソウル込めて歌ってんだよ俺らは」「誰だよ俺らって」「SHO-GUNGだよ」「ショウグン？」「ライブもやるんだよ今度。…なんだよ」「いつから？」「何が」「その格好」「もう2年だよ」「痛いよお前。マジ痛いんだけど埼玉でそういうの」「埼玉とか関係ねぇんだよSHO-GUNGには」「へー」「ここ埼玉から世界に向けてsoul to soul!メッセージ送ってんだよ俺らは」「宇宙人かよお前」
「なんかスケール小ちゃくない？」「スケール？なにスケールって。どういうこと？」「うーんなんかなースケールがなぁ。政治ネタとかさ、国際問題とかさ。そういうのがねぇ欲しいんだよねぇ」「そういうスケールねぇ…わっかんねー。俺、政治とか国際問題とか…あれだもんなぁ。ていうかさ、IKKUが本気で書きたいこと書けば？」
