骨折り損

SR サイタマノラッパーの骨折り損のレビュー・感想・評価

SR サイタマノラッパー(2008年製作の映画)
3.1
日常から急に一人でラップし出すのが、電車にたまにいるヤバい人みたいでなんか凄く怖かった。

多分、ああいうの笑うか、熱いぜってなるかなんだろうけど、僕はとにかく怖くなってしまった。

うーん難しい。なんでこう感じるんだろう。8マイルだって日常シーンで急にラップ始まるけど、異常な感じはしなかった。多分、単純にもっとカメラが人物に寄ってくれていたら印象が違ったのかもしれない。物凄い俯瞰の長回しでラップ始めるから異物感が拭えなかった。演出意図はあるのだろうけど、個人的には好みではなかった。

所々、笑える場面はあって楽しめたが、いかんせん主人公たちの本気度が伝わってこなかったのがこの映画に没入できなかった全ての原因だったと思う。もともとヒップホップは、「明日死ぬかもしれない人たちの言葉」から始まっていることを考えると、どうしても今作のキャラクターたちはただの甘えにしか見えなかった。その情けなさで笑う話なんだろうけど、本気でバカをやっているからこそ、笑いも生まれると思うので中途半端に感じた。

設定はいいけれど、夢と現実の振れ幅がもっと大袈裟なくらいあった方が面白くなったと思う。
骨折り損

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