ぽち

陰陽師 〜おんみょうじ〜のぽちのレビュー・感想・評価

陰陽師 〜おんみょうじ〜(2001年製作の映画)
3.3
映像、演出共に制作年代を考慮したとしてもかなりチープで、出演者全員がオーバーアクト、または学芸会という、普通なら悲惨な結果となるのだが、物語の世界観と偶然マッチしてしまい、そのマイナス要因がプラスに働いてしまった稀有な作品。

原作未読だがそれの良さもあったと思われる。

初主演の野村萬斎は印象に残るはまり役。
映画での「演技」として見るとかなり危なっかしいのだが、さすが幼少のころから叩き込まれた狂言だけあり、見得を切ったシーンなどゾクッとする魅力がある。

対する真田も笑えるレベルのオーバーアクトだが、馴染んでしまっているのは野村のおかげでもあるだろう。

ストーリーの平坦さや、見せ場となるはずのラスト対決のショボい吊りアクションなど、時代を感じてしまうが、全体の雰囲気が良く楽しめる作品だろう。



余談。
「陰陽師」
その単語の響きだけでかっこいいのだが、wikiによれば
「古代日本の律令制下において中務省の陰陽寮に属した官職の1つで、陰陽五行思想に基づいた陰陽道によって占筮(せんぜい)及び地相などを職掌とする方技(技術系の官人。技官)として配置された者を指す。中・近世においては民間で私的祈祷や占術を行う者を称し、中には神職の一種のように見られる者も存在する。」

まぁ、簡単に言っちゃうと占い師だね。
正直、占い師=詐欺師と思っているのだが、さすがに平安時代だと本人も完全に信じちゃっていたんだろうなぁ。

でも、今作でも出てくるけど、政治に利用されるようになるにつれて、自分に都合のいいようになっていったのだろう。

もちろん今の時代で「占い師」などというのは、完全に「アレ」ですから、気をつけましょう。笑
ぽち

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