Makiko

男装のMakikoのレビュー・感想・評価

男装(1935年製作の映画)
3.3
公開当初は大コケしたと聞いて不安だったが、それほど悪くない。
ただ予測のできない急展開が次々に起こるので、ある意味ではジェットコースタームービーといえる。それについていけるかどうか。

キャサリン・ヘプバーンの男装は同年代のグレタ・ガルボやマレーネ・ディートリッヒのそれとは違い、妖艶さよりも快活さの方がよく表れている。非常にキュート。
この人の演技を見ると時々、共感性羞恥を感じてむず痒くなってしまう。痛い演技が抜群に上手い。とても古い時代の人とは思えない。

ケイリー・グラント演じる詐欺師のキャラクターがあまり魅力的でなかった。ヘプバーンとグラントはこれ以外にも3回共演している(『赤ちゃん教育』『素晴らしき休日』『フィラデルフィア物語』)が、本作は初共演だからかあまり息が合っていなかったように感じる。

監督はジョージ・キューカー。この時代にこれだけ女性を魅力的に撮れる(姿だけでなく、キャラクター的な意味でも)人はこの人くらいだ。
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