ゴリアテの憂鬱

離愁のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

離愁(1973年製作の映画)
4.3
ひとり自宅でロミー・シュナイダー映画祭pt.2

本来、恋愛モノは大の苦手ですが、第二次世界大戦においてドイツが侵略しつつある状況下のフランスが舞台の本作はとても面白かったですし素晴らしい映画でした。

本編において時折挿入される実際の映像や写真は、ドラマ仕立てのストーリーに歴史的背景の重圧がより効果的に伝わるものでしたし、その中にあった上機嫌に笑うヒトラーの映像の後に映されたドイツ兵の無慈悲な銃殺戮の映像の対比に強い畏怖の念を抱きました。

そして、何と言っても二人が再会を果たすラストシークエンスが圧巻でした。
まるでそこだけジョセフ・ロージーの映画かと錯覚してしまいそうでした。

二人の目線の演技は、カール・ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』のルネ・ファルコネッティにも負けない素晴らしいものでした。