ゴリアテの憂鬱

ノー・ホーム・ムーヴィーのゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)
4.0
アケルマンによる母の晩年を撮影し続けた(撮影の途中で亡くなる)ドキュメンタリー作品。

カメラは粗いけど、ユスターシュが叔母を撮影した『ナンバー・ゼロ』よりもずっと繊細に感じました。

今作で余白を感じたのはカメラの距離感であって、時間的な余白は母を捉えた映像からは感じませんでした。
要所で挿入される自然を映した長回しの時間によって、観る者が考える(あるいは考えない)余白を作っているのだと思います。
その時間は、もしかしたら映画を観る者ではなくアケルマン自身が必要としていたのかも知れません。