ショコラ

離愁のショコラのレビュー・感想・評価

離愁(1973年製作の映画)
4.7
戦火を逃れる疎開列車の中で出逢ったふたり。

妻子の乗る客席ではなく、貨車に移されたジュリアンは、ユダヤ人のアンナと出逢い、謎めいた翳のある美貌に惹かれる。

一方のアンナも、追われる立場の不安からか、自ら彼に身を委ねる。

戦時下に芽生えた不倫の恋を描いた作品だが、ジャン・ルイ・トランティニャンとロミー・シュナイダーの抑えた演技が、ドラマを格調高いものにしている。

疎開先を目指す人々の行列や、戦中とは信じがたい田舎の美しい風景。

戦闘機による列車への機銃掃射は、リアルで恐ろしい。

有名なラストシーンからエンドロールへの流れが秀逸で、ゆっくりと感動の余韻が広がっていく。
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