zhenli13

大雷雨のzhenli13のレビュー・感想・評価

大雷雨(1941年製作の映画)
4.5
すごくよかった。同じくウォルシュの『追跡』もそうだったけど、人間の力でどうにもならない環境の脅威が人間模様ときちんと絡み合ってて圧倒される。
送電線工事に従事していつでもどこでも呼び出され命の保証が無い(命綱つけようぜ)男たちのホモソーシャル馬鹿騒ぎかつブラザーフッド。マレーネ・ディートリヒのやさぐれの中にある純真さや自分の気持ちに嘘がつけないところ。嵐や大雪で切れてバチバチいったり土砂ごと倒れたりする送電線や鉄塔(ミニチュア特撮もよくできてる)というシチュエーション。どれもがおざなりにならず成立してる。
エドワード・G・ロビンソンはいつもの通りかわいそうな展開しか予想できない。ほんとかわいそうなエドG。回復中のジョージ・ラフトを家に住まわせ、ディートリヒとラフトと三人一緒の関係を保ちたい、ブラザーフッドも愛する女性も両方大事というのが切ない。ディートリヒ、ラフト、エドG三者ともに思いがばらばらで微妙にすれ違うさまが上手く出ている。
ディートリヒは脚線美の見せ場もありかっこいい好役だった。ぼったくり酒場では同輩との互助、シスターフッドが垣間見える。でも一人でバス乗ってってほしかったかも。
ホモソーシャルな馬鹿騒ぎはフォロイーの方の指摘どおりアルドリッチ『クワイア・ボーイズ』だこれ。脚折ってばかりでずっと入院してる男やダイナー店主のノリツッコミなどの小ネタや脚本の台詞が随所に効いている。ワード・ボンドも出てるよ!
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