春三月縊り残され花に舞うと詠じた大杉栄と乱調の美の生涯を生きた伊藤野枝の叛逆とエトロジーについての、若きわれわれ・私それともあなたのアンバランスな加担に至る頽廃の歓びのあるトーキングーーーーーーーーー😘
長谷川元吉の撮影と一柳慧の前衛音楽がアートな世界を彩る、吉田喜重のペダンチックな政治ディスカッション映画。「近代批判三部作」の第1作目。
主演の岡田茉莉子が『秋津温泉』とは違った意味でファム・ファタル的なオーラを放つ。当時フランスで流行ったポスト構造主義やロブ=グリエ、ル=クレジオのヌーヴォーロマン小説みたいな雰囲気で当時の最先端を行く邦画と言える。今で言う濱口竜介みたいなもん。
松竹ヌーヴェルヴァーグ→立教大学ヌーヴェルヴァーグ→堀越謙三が擁する映画美学校、ユーロスペース→アテネ・フランセといった前衛系の元祖みたいな雰囲気のある3時間超えの大作。映画というよりも美術館向けのポップ・アートみたいな感じ。
細川俊之演じる大杉栄の暗殺事件の実相をメタフィクション仕立てで現代と大正時代を往来させつつダラダラ描いている。フリーセックスやロックンロールが流れ、学生運動のシーン等をこっそり挿入する辺りはご愛嬌。邦画史に残る超絶アヴァンギャルド・ムービーの代表格。