品川巻

モンスターの品川巻のレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
4.6
2回目の鑑賞。

アメリカで有名な死刑囚アイリーン・ウォーノスと、その同性の恋人の実話。
実話なのに映画としても話が全くダレなくて、一度も飽きさせないのがすごい。

この作品で、私はシャーリーズ・セロン様のファンになりました。。(セロン様自身は、家族を殺そうとした実父を実母が正当防衛で射殺するという壮絶な過去アリ)

愛情を受けたことがないから、与え方が分からない。企業の面接に落ちても、自分ではなく会社に落ち度があると責める。
彼女が社会にも他人にも攻撃的なのは、存在意義を否定され続けた自分の保身のためだった。

そんなアイリーンはセルビーという初めて愛おしいと思える相手に出会い、依存していく。
一方でセルビーも、アイリーンに振り回されているようで、心のどこかで非日常的な逃避行にワクワクしているように見えた。(ローラースケート場でお互いの好きを確認するシーンは熱い🛼🔥)

セルビーが法廷に立ったのは、自分が起訴されないように司法取引を結びたかったからか。
それとも「自分しかアイリーンの暴走を止められない」という使命感からか。
真相は藪の中だけど、元々無罪を主張していたアイリーンが犯行を認めたのは、唯一大事な存在だったセルビーに翻られた喪失感で生きる希望もなくなったからかもしれない。

欲を言えば、もう少し法廷のシーンを見たかったな。。
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