ろーたす

モンスターのろーたすのレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
3.5
底無しに堕ちたその境遇を、ひたすらに世間のせいにして泣き宥め合うその2人に、「あぁ、もう誰も2人を救えないんだ」と悲しみ以上に哀れに思え、同情以上に怒りが湧きました。

自分の願いばかり棚に上げて、思い通りにならねば逆ギレ。努力を知らないアイリーンと、世間を知らないセルビー。


ただ、アイリーンが2人目の殺人を決意し発砲するまでの危機迫るシーンで使われてるドラム音は、昔っぽくもありつつ、彼女の感情の荒々しさが上手く反映されてたと思いました。
そして、その後のタバコを吸う画画は構図として凄く良かった。目に焼き付いてます。アイリーンの表情は死んでいるし、彼女を包む暗闇がこれから堕ちてゆく彼女の行先を連想する。まさに"お先真っ暗"というやつです。
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