まず役者がよいです。堺雅人、中村獅童、福士誠治がそれぞれいい味を出してます(ユースケは微妙…)。級長役の森迫永依ちゃんもかわいかったですねぇ(「憑神」にも出てましたね。浅田次郎作品と相性がいいんでしょうか)。
原作は未読ですが、いかにも浅田次郎らしい作品だなぁと。とんでもないホラを吹きつつ、しっかり泣かせてくれます。無邪気な少女たちの姿とその過酷な運命。少女たちを守れなかった男たち。1人だけ取り残されてしまった少女。それぞれの姿が涙を誘います。
しかし物語としては相当むごい話ですよ。19人の少女が自ら命を断つというエピソードはあまりに重すぎます。安易に「哀しみの物語」に落としこむのではなく、もっと「怒り」という表現があるべきなのではないでしょうか。命の重さをもう少し大切に描いてほしかったです。