グリムザアーチャー

(500)日のサマーのグリムザアーチャーのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
3.8
恋愛映画のような装いを見せつつ、若者の一つの価値観を描いた作品。

運命の出会いを信じる男トム(ジョセフ・ゴードン=レビット)の目線からサマー(ズーイー・デシャネル)との500日間の複雑な関係を綴った物語。
監督のマーク・ウェブはこれが初監督作品であるが、MV製作という経験が劇中演出に顕著に見られ、作品のテーマにマッチした若々しい感性を上手く描いている。

トムとサマーとの500日間の出来事がランダムで語られる進行は当初、話が見えてこないように感じて地味に眠くなるが、あるシーンを転機に見方が変わる。自分たちの見ていた話がトム目線に意図的に集中させられていたことがここでわかってくるところにこの映画のカタルシスがあると思う。恋愛って一方的な想いを押し付けあうなんて意見、男は女を名前を付けて保存、女は男を上書き保存なんて意見。恋という悩みを映像化したらこんな感じで答えが出ない押し問答がダラダラ続くのだろう笑

ラストの500日目を過ぎて、トムが見つける出会いは実は全く新しいものでなく、500日の間に実は兆しがあったのだが、トム自身気づいていない。恋は盲目ともいうこともここでハッとする。

パッと手に取った紹介を見た感じ、トムとサマーの恋愛映画と捉えられがちだが、本質は様々な恋愛観を歌ったアルバムを聴いているような感じのオムニバス映画である。

評価はグリーディングカード3.8枚。

あとマーク・ウェブ監督の若者の特有の微妙に距離感ある恋愛を描く才能(◯貞を拗らせる感じが上手い笑)は次作でるアメイジング・スパイダーマンシリーズでもバンバン発揮されてます\(^o^)/