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(500)日のサマーのringrintaroのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.0
#ズーイーデシャネル がとても魅力的な『(500日の)サマー』という映画の評価には、良いも悪いも(特に悪い評価は)デシャネル演じるサマーをくそビッチと書いてる人が多い(アマゾンレビューによる)。
でもこれは「出会って別れるまでの500日」を日記をランダムに読むように並べてる映画だから、「1日目」の次が関係が決定的に破綻する「499日目」になってるわけで、#ジョセフゴードンレヴィット が演じる相手役のトムが実際以上に振り回されているように見える(=サマーがビッチに見える)のはまずここに原因があると思う。

それから、サマーがトムから離れていった決定的なヒントはダスティンホフマンが結婚式中の花嫁を教会から奪って逃げる『卒業』にある。
サマーはこの映画のラストシーンを見て涙を流すわけだが、『卒業』のラストシーンは教会のシーンではなく、花嫁を奪ってバスに乗り込んで逃げ切った後、バスの中で落ち着いた二人が不安気に前方を見やる長映しだ。
これはやった事の重大性とそこから推測出来る将来に対する不安(ダスティンホフマンは彼女の母親に童貞を奪われている)を表現するミザンセーヌ(視覚的隠喩)です。

サマーはここで涙を流す。
彼女の乱暴な意見に従うだけで自分の意見を引っ込め、夢に対しても消極的なトムに対して、サマーは「共に歩む未来」に不安を感じてしまった。
いっそ『卒業』のように強引に引っ張ってくれれば良いのに!?という感じもあった事でしょう。
サマーも結局はトムの事が好きだったんでしょう。でも、(両親が離婚してるというプロフィール紹介があったような気がする)サマーはトムとの間に継続的な関係をイメージ出来なかった。
この理由を頭に入れても、サマーはくそビッチでしょうか?
僕としては身につまされると言いますか…
#500日のサマー
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#映画
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