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ひなぎくのmizukiのレビュー・感想・評価

ひなぎく(1966年製作の映画)
4.9
これが女、特に少女だと思う。大人の女性ではないし、まあそんなの本当に存在するのか?と。女は誰だって少女を手放さないで生きていると思うよ。男性がいつまでも少年の心を持つのと同じ。皆が通ってきた道だから。

体のラインを生かす服たちが好み。媚を売るためじゃない、可愛くいたい、ただそれだけ。二人でベッドでお話ししている時も、キャミとパンツだけなのすごいわかる、女だけの空間って感じ。余計な布は身につけたくないのわかる。

「人生ってさ、終わっちゃってるよね〜」という謎のハードルの低さに既視感。自分の友人にめちゃくちゃ多い思考。私は、ペシミストの脱力感に救われてきたなとつくづく思った。一生理解できないし、あえてしたいとも思わない(今はね、前はわかってみたかった)けど、なんか好き。元気出る。
メチャクチャになる人生もないし、やれることはなんでもやっちゃえっていう投げやりさは自分を見ているようだった。今が楽しければそれでいいし、人生それの積み重ねでしかなくない?って感じ。終わったと思った人生なんて、幻でしかないよな。常識で評価されるところがあるし、常識は意外と偏ってるし。

わからないところとわかるところ、全部ひっくるめて好き、この作品。
(わかるとかわからないとか言ったこと全てを適当に受け流してくれる人のそばで生きたいと思った、引き続き。)


2023.9.8 劇場で鑑賞
悪事が、私たちが存在してる証だった。悪いことするのが自然な人間は、どう足掻いてもいい子になれないよ〜社会からこぼれ落ちる、どうすればいい?明日からいい子になります。自分を殺して。
悪事をやってたら、透明になっちゃった。死んじゃってるみたい。二人だけの世界。二人も一つになって、孤立して、世界に溶けてっちゃいそう。何をやっても透明で、すれすれのはさみで切れなくて、目の前の炎で燃えなくて、私たちが世界なのかと錯覚する。生きてて何になる?死んで何になる?私たちは可哀想じゃない。
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