まや

ひなぎくのまやのネタバレレビュー・内容・結末

ひなぎく(1966年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごく好き!面白かったし引き込まれた。
映画的文法とか物語の展開とかそういうことを一切無視して、やりたいようにやる、頭の中のイメージをそのまま映画にしたという感じ。90年代の映画なのに全然古めかしくなくむしろ斬新で新鮮でのめり込むようにして観られた。

ガールズムービーと称されており、2人の女の子が好き勝手に、男騙してご飯食べて列車を見送る。トイレでお化粧したり、お金盗んだり、ハサミで食材を切り刻んだり、自分たちごと切り刻んだり。何か楽しいことを求めてハッピーにキュートに行動していく。だけどそこには当時の社会や女性の立場等が含まれていて、可愛くない現実がきちんと反映されている。この両極端の感じが同一の画面の中にあるのが驚きだし本当に素晴らしいなと思った。(男騙してケラケラしているのなんて最高だ!)

最後の忍び込んで用意されたディナーをめちゃくちゃにし、ファッションショーを始めるシーンは特に最高だった。その後元に戻そうと、今までの彼女達では考えられない行動に出る。やったらやりっぱなし、その後のことなど考えないのに、小声でささやきながら片付けをする。その後縛られて終わる感じと皮肉の効いたセリフで幕を閉じるのも最高だった。強い批判的な意志を感じた。

前述した通りイメージ像やモンタージュの感じが強いので感覚的な映画に感じたがとても好きだった。落ち込んだ時に観たいなと思った。何故だか元気が出た。
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