このレビューはネタバレを含みます
ラース・フォン・トリアー監督の映画、観るのはずいぶん久しぶりだなあ。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のあの終わり方がトラウマになってしまい、なかなか次の作品に手を出せなかった。この映画は、無類の映画好きとして知られる江頭2:50が、生涯ベストの一つに挙げていたので、興味を持って見てみる事にした次第。
手持ちカメラの多用とロケ中心の撮影(欧州の森や海の風景が何とも言えず美しい)は、何となくフランスのヌーヴェルバーグを彷彿とさせる。これは「ドグマ95」なる撮影法(厳密にはこの映画は違う様だが)だとか。「愛」をテーマにしたキリスト教的世界観が素晴らしい。
主演女優は、過激なヌードも辞さず、役柄ではなく本当に狂っているんじゃないかと思うほどの鬼気迫る演技を見せている。この時点で新人だったというから本当に恐ろしい…。
冒頭の結婚式のシーンでは、教会に鐘が無く、何かの伏線かと思いきゃ、最後の最後になって、やっと鐘が鳴る。登場人物たちと共に、自分も救われた感じがした。