1996年デンマーク
監督/ ラース・フォン・トリアー
出演/ エミリー・ワトソン(ベス)/ ステラン・スカルスガルド(ヤン)/ カトリン・カートリッジ(ドド)/ エイドリアン・ローリンズ(リチャードソン医師)
『奇跡の海』は、『イディオッツ』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』へと続くラース・フォン・トリアー監督の「黄金の心」3部作の1作品目、
舞台は1970年代スコットランドの寒村、、、ベス(エミリー・ワトソン)はお兄さん(サム)の死に精神的にダメージを受け入院するほどだった、、兄嫁ドド(カトリン・カートリッジ)は、見知らぬ土地で夫に先立たれて、その気持ちを共有できるのは義妹のベスだった、、そのベスに最愛の人が現れ祝福した、、
しかしある日、油田工場で働くベスの夫ヤン(ステラン・スカルスガルド)は、事故に遭い寝たきりになってしまう、、
性的に不能になったヤンの発言は怖い、脳への障害がヤンに本心でないことを言わせたのかどうなのか、、(ヤン)「離婚はできない、教会が許さない、愛人をつくれ」、ベスは泣き出して「そんな風に言うなんて、あんたは病気よ」、
(ヤン)「ベスを解放してやりたい!」
ベスの心は一途な愛と信仰心を持った子供のようだ、エミリー・ワトソンの感情を抑え込まない、異様に膨らみのある表現がリアルで凄い、、、🐦️💕
ただベスのその信仰心もイビツで、腹話術のように神からの言葉を自分の気持ち『神からの試練だ、、』に置き換えてしまいそれを信じて暴走していく、、(🙍)
(ベスは何にでも話しかける、答えも自分で用意する)
夫(ヤン)は妻(ベス)を思って他の男たちと寝るように妻に勧め、ベスもまたヤンを愛するがゆえに、他の男たちと関係を重ねてゆく、、
(古い慣習による長老達の考えでは、それは地獄に落ちることになる)
ベスの真実の愛への傾倒、無知でイビツな信仰心、教会や神に対する冒涜、、、
いや、冒涜ではなく、祈りと感謝しかなかった、「素晴らしいお恵みをありがとうございます、ヤンをくださり感謝します」・・この祈りで既に赦される、、、💕❗
そしてドドの言葉はヤンに届いたはずだ、、
(ドド)「彼女はあなたのために生きている、自分はどうでもいいのよ、全てあなたのために、あなたの笑顔を見るためよ♥」
そしてベスの死、、をどうに見るか?
『故人(ベス)を未成熟な人間と報告、夫のトラウマが!妄執にとりつかれて、性的に過激な行動には走った』
ただベスの場合、狂気でなく心の疲労(神からの試練)が酷かったのだ、、
リチャードソン医師の見解、
『神経症だとか分裂症だとかでなく別の表現になるでしょう、〈善意〉です、〈善意〉が故人を苦しめた
精神的弱さが死に導いたと解釈します』
ベスは教会から追放されたものとして埋葬される・・埋葬は許可されるが葬儀は行われない、
それでもヤン達により海に葬られたベスに、奇跡のように祝福の鐘が鳴り響く💕🐔
(サイゴマデスゴクヨカッタ😻)