がちゃん

怪猫トルコ風呂のがちゃんのレビュー・感想・評価

怪猫トルコ風呂(1975年製作の映画)
2.8
怪談の定番である化け猫と風俗の定番であったトルコ風呂(説明不要だと思いますが現在のソープランドね)を合体させてヒットを狙った東映ポルノの一篇です。

東映ポルノなので、5分に1回くらいのペースで濡れ場が登場します。

制作の上のルールですのでそれは仕方ありませんが、不必要と思われる濡れ場を挿入しすぎたせいで、せっかく面白くなりそうな題材なのにもったいないなあと。

ドロドロの情念が絡み合う心理描写はかなりの部分成功しているし、SMの女王谷ナオミの拷問シーンもさすがです。

そして妹・真弓に扮した大原美佐が結構良くてね。前半のうぶな田舎娘から復讐に燃える女に変わるまで見事な変身ぶり。
ちょっと梶芽衣子を思わせる風貌もいい感じですね。

女を金づるとしか考えていない小悪党・鹿内に室田日出男が演じていて相変わらず憎々しい雰囲気もあっています。

売春禁止法が施行された前後の時代を舞台にしていて、遊郭が風呂付の部屋で発生する自由恋愛として法律逃れの手段としてトルコ風呂に業務転換するあたりも面白い。

なのに、なぜ残念な出来上がりになったのか!

それは『肝心の化け猫が怖くない』から。

事の一部始終を見ていた不気味な黒猫が怨霊にになって悪者に復讐するのだなと思ってみていたら、なんと怨霊は白い猫メイクをしているのです!

なんじゃそれ、ですよね。

不気味さも何もない。

ギャーっと言って悪者に飛び掛かるのですが、どうしても笑いがこみあげてしまうのです。

山口和彦監督しくじったな。

でも、噂によりますと、最近はカルトとして人気がジワリと上がっているのだとか。
なんだかわかる気がしますね。

肩の力を抜いて観たら結構面白いかもね。

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