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イルカの日のmagic227のネタバレレビュー・内容・結末

イルカの日(1973年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

頭が良くて人懐こい性格、海の生き物の中でも抜群の人気を誇るイルカが、もし人間の言葉を理解し話す事が出来たら、そこにあるのは明るい未来でしょうか?
ロバート・メルルの世界的ベストセラーを「卒業」のマイク・ニコルズ監督が映画化した本作は、そんなテーマで展開される物語です。イルカに言葉を教える科学者夫婦には、オスカーを蹴ったことでも知られる名優、ジョージ・C・スコットとトリッシュ・ヴァン・ディーヴァー。この二人は私生活でも本当に夫婦とあって、抜群の呼吸でイルカ達と心を通わせる科学者夫婦を好演しています。言葉を理解するが故に、恐るべき陰謀に巻き込まれていくイルカたち。傲慢で利己的な人間が招く悲しい結末は観る者の涙を誘いますが、その味はかなりの苦みを伴っています。映画の序盤、自分たちを騙した記者を、イルカが「You Liar」と糾弾する場面が出て来ます。せめてイルカに非難されない人間でいたいと思わずにはいられません。そして、この映画の魅力を更にパワーアップさせているのが、フランス映画界の至宝ジョルジュ・ドルリューの繊細で美しいスコア、このサントラは映画音楽が好きな方はマストバイでしょう。
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