MiYA

息子のMiYAのレビュー・感想・評価

息子(1991年製作の映画)
3.3
田舎で暮らす老親が上京するという話でどうしても思い出すのは「東京物語」。親子の気持ちのすれ違いを描きたかったんだと思いますが、あわせて高度成長時代における地方と都会の格差みたいなものも描きたかったようにも思います。

孤独な老親の悲哀を表す三國連太郎の演技が素晴らしいです。上京して長男家族につれなくされ、次男の結婚という慶事により光明が差したようにも見えて、故郷に帰れば孤独な境遇に戻るという悲哀。なんともいえない余韻があります。

考えてみれば、山田洋次監督は後年「東京家族」という作品で「東京物語」をリメイクしたわけですが、「息子の嫁」が希望の象徴になるという点はこの3作に共通しており、大事なのは血の繋がりではないということなのかな。

BSプレミアム「プレミアム・シネマ」にて。
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