宗教対立が引き金となったレバノン内戦。現在の中東にも影響を残し続けている世界史としても重大な出来事を舞台に、「母の人生」という個人史を子どもたちが辿る物語です。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は自身の作品の中で様々な形の「愛」を描いており、作品ごとにその意味合いが異なると思います。
宗教に翻弄された続けた人間が最終的に行き着いた「愛」がどのよう形で、どのような意味合いを持つのかが今作の見どころの1つです。
この映画を見て気が付いたんですが、冒頭で物語の根幹に触れるシーンを描いた上で、終盤でその意味が理解できる、回収する映画の構造が好きかもしれません。
衝撃的な内容と展開でミステリー的な側面でも一瞬も目を離せない一本だと思います。