どうたく66

灼熱の魂のどうたく66のネタバレレビュー・内容・結末

灼熱の魂(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ものすごい映画を観てしまった。最初は観るのが退屈だなあと思いながら観ていたが、途中から運命に翻弄される主人公の母の物語を衝撃を受けながら観続けてしまった。

レバノンの内戦と思われる舞台で過酷で数奇な運命に翻弄される家族の物語。レバノン内戦に出兵した兵士の経験を描いた『戦場でワルツを』を観たことがあるが、この映画を観るまで、レバノン内戦がピンと来ていなかった。あらためて歴史を辿ってみると、イスラエルとアラブ諸国の代理戦争の側面が強いことがわかる。キリスト教徒の多いレバノンと中東のイスラム教徒との恨みの連鎖が事態を解決困難にしている。そのような背景の中での物語だ。

この物語がフィクションなのか事実をもとにしているのかわからない。しかし内戦から逃れた家族は誰でも壮大な、人には言えない物語を持っている。

日本もいつ中国とアメリカの代理戦争の場となるかわからない。こういう物語や映画『ドクトル・ジバゴ』で描かれるような運命に翻弄される物語は他人事ではないことを認識しよう。
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