ブラックユーモアホフマン

MIND GAME マインド・ゲームのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)
4.0
アヴァンギャルド〜!!!wwww

ようやく観れた。35mmフィルムで。
やりすぎだろってくらい色々詰め込んでてすごかった。ただ画面上の情報量の多さに対して話の筋は至ってシンプルで本当に純粋な映像表現っていう感じがした。

一度死んでしまって天国から帰ってきて、というのと、鯨に飲み込まれて帰ってきて、というのと、正直おなじことを2回やってる気がするのが気になって。どちらか片方でいいんじゃないだろうか。なんか同じ話2回見たなって感じがしたんだなぁ。

言ってることはすごく感動的なんですけどね、『四畳半神話体系』とも通ずる死生観のような気もするし。しかし僕はそれを純粋な映像表現として、ではなく、映画ならばこそ、脚本で、ストーリーで見たかったというのが正直なところで。
上映後のトークでまさに公開当時そういう意見もあって、じゃあストーリーというものを学んでみるかとテレビシリーズの演出で経験を積み、まさに『四畳半神話体系』で何となく掴んだ感じがしたと、湯浅監督は回顧されていた。聞き手の岡本敦史さんはその仕事を見ながらソッチに行かなくていいのに…と思っていたらしいけれど、僕は『四畳半神話体系』の語り口の方が好きです。

しかし湯浅監督の天才性はこの作品に遺憾なく発揮されていてアートという面ではこの作品を超えるものは後のフィルモグラフィにはないのだろうと思う。

【一番好きなシーン】
鯨の噴射口?から漏れる光を見上げながら潤む瞳。