「ウエストサイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」を手掛けたことでも知られるロバート・ワイズ監督のオカルトホラー且つ90年代の「ホーンティング」のオリジナル。
介護疲れの主人公の女性の独白が多めで彼女が終始ヒステリックなのが癪に障り、上映時間が2時間近くとこの手のジャンルにしては長めで退屈な場面が無いわけではないのですが、アメリカンなホラーにありがちな視覚的に直接的に幽霊の姿を見せる作風ではないのが今作の特徴。ドアノブが動いたりドアが膨らんだり、不安定な螺旋階段等地味目ながら恐怖演出としては効果的で階段に関してはそのビジュアルもモノクロならではの美しさに溢れており至る所に配置された鏡の存在が観る側に「幽霊が映るんじゃないか?」という想像を働かせてくれるのもポイントだったりします。
今作における視覚的なものに頼り過ぎない時に静かな恐怖演出表現は本国よりもJホラー等に継承されている気もします。