ヌテッラ

リープ・イヤー うるう年のプロポーズのヌテッラのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

00〜10年代前半にかけて量産されたロマコメ映画の典型パターン、即ち「上げて上げて下げて上げる」クリシェにきっちりと則った王道ボーイミーツガール作品。都会志向で完璧主義者のアメリカンなエイミー・アダムスと、どこか野暮ったくて口を開けば皮肉しか出てこないアイリッシュなマシュー・グードのケミストリーにうっとりと見入っていればあっという間の90分。お決まりの展開に着地点の見えない不安感から解放され、「どうせこの二人最後にはくっつくんでしょう」とたかをくくって過ごす白昼夢のような90分間、ストレスの解消にはもってこいだ。人里離れた田舎で過ごす密な数日間が二人の仲をぐっと近付けるというプロットは『噂のモーガン夫妻』を、互いをとことん嫌悪し合う二人が相手の想定外にエモーショナルな一面に惹かれ合う展開は『幸せになるための27のドレス』を、スノッブなボーイフレンドに見切りをつけてちょっと田舎臭いけれども誠実なソウルメイトと結ばれるクライマックスは『メラニーが行く!』を思い起こさせ、例えばハイヒールを履いたエイミー・アダムスがルイヴィトンのスーツケースを片手に畦道を危なかしい足取りで歩く姿は『ホリデイ』のキャメロン・ディアスにそっくりだ。こんな具合に過去数々のロマンスコメディ映画の前例が脳裏に浮かんでくる、デジャヴの連続。私のようなロマコメファンには堪らない、教科書のような作品でした。満を持しての4.5評価です。
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