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人生はビギナーズのmizukiのレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
4.7
人に言ったら困らせる過去((人によっては)=重い過去=可哀想な過去)、と呼べばいいだろうか、そういうものを、背負い合う関係ってそんなにうまくいくものではないかなと個人的には思う。もちろん、うまくいく場合もある。そこは二人次第。

アナとオリバーは、そういう過去を持つもの同士。アナが結構背負おうとしてきて、うーん、ちょっと重いなあと思った。米津玄師の『Lemon』の歌詞みたいな思考…わたし苦手(曲自体は好き)。オリバーはオリバーで、自分の人生を結構重く捉えているなあ。しょうがないけどね。重く捉えている割に、人にはなんでもない顔をしてほしいのかなと感じた。
客観的に見たら、私も人に言ったら困らせる過去がある寄りの人間かなと思うけど、可哀想とか思われたくないし、その悲しみ背負うよ!みたいなのも嫌…。私の気持ちは私しかわかんないし、なんなら自分でもよくわかんないこともあるし、わかろうとしなくても大丈夫だよ…とこっちまで申し訳なくなる。「その人の悲しみは、その人だけのもの」って思うタイプの人間とそうじゃない人間が世の中にはいる。全ての過去を自然の節理と捉え、今をみてくれる人がいたらいいし、私もそうでありたい。逆に相手が何かを抱えていたら、私はその状況を肯定することのみが最善だと思っている。だって背負うことは私にとっては実際不可能だから、期待させるのもよくない。
でも、ゲイが精神病だとされていた時代に「私が治す!」と言うことは、ものすごく愛があったからだとわかる。

背負い合う関係は、ものすごく覚悟がいる。復縁したアナとオリバーみたいに。そういう関係に憧れた時期もあるけど、まあメンヘラっちゃメンヘラだよな(笑)そういうカップルは結構多いと思うけどね〜。だから『Lemon』も売れるんだよね、たぶん。美しい関係だとは思う。
今後どうなるかわからない、でも今は一緒にいたい、が全て。
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