Jimmy

犯罪河岸のJimmyのレビュー・感想・評価

犯罪河岸(1947年製作の映画)
3.6
『恐怖の報酬』・『悪魔のような女』などサスペンス映画の巨匠として知られるアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が推理小説『正当防衛』を映画化した作品であり、なかなか面白い映画だった。

ピアノ伴奏者の男モーリス、彼の妻ジェニー、カメラマン女性ドラを中心に、殺人捜査をする警察が絡んで進む物語。

冒頭、ジェニーが歌うシーンでは、「歌レッスンを受ける場面」→「夫モーリスのピアノで練習する場面」(ここで鏡を使ってジェニーの姿を見事に映す!)→「舞台リハーサル」→「満員の客の前での舞台にて歌い踊る場面」が流れるように描かれる素晴らしさ。

ジェニーがドラにポートレイト写真を撮ってもらうが、出口でブリニヨンという好色爺さんと会う。爺さんは「映画に出演させてやるから明日来なさい」とジェニーに言う。下心丸出しで…。

夫モーリスは妻ジェニーが他の男と親しそうにすると嫉妬するのが強調される。ピアノのレッスン受ける妻の脚に触るな!と怒鳴ったり、契約の件で会おうとするブリニヨンという爺さんに嫉妬したり…。

妻から「祖母が病気だから祖母の家に泊まる」という電話があり、住所を書いたメモを見つけた夫は「ブリニヨン爺さんと会っている妻を想像」して、銃を持ち、書かれた住所に行く。直接行かずに、アリバイ作りに知り合いの劇場に顔を出してから行くあたり周到である。
そして、セントマルシオ館なる家に着くと、既にブリニヨン爺さんは殺されていた。驚いて劇場経由で帰宅する夫だが、自動車を盗まれてしまうあたりはドキドキする。
その頃、妻ジェニーが「ブリニヨン爺さんが迫って来たので、瓶で殴って殺した」とドラに告白している。
そして、警察が本格的に動きだして、捜査が進んでいくのだが……。

なかなか面白い映画だった。
Jimmy

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