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犯罪河岸のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

犯罪河岸(1947年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

売れない歌手の妻とピアニストの亭主の夫婦は焼け跡に建つアパートの階上で探偵事務所のような音楽事務所を開いている。夫婦は殺人事件に巻き込まれ互いに疑心暗鬼になる。いわゆる陰影の濃い人間模様で描いたフレンチクライムフィルムノワール。しかし主人公の刑事が登場してからの後半からは音楽業界の内幕がじょじょにクローズアップされていくので刑事コロンボっぽくなる。殺された業界の顔役の正体もラスボス異形の巨悪で。刑事が探れば探るほど業界の闇が出て来る。このへんは混沌として筋さえわからなくなるやはりフィルムノワールの傑作三つ数えろに似ている。主人公の刑事がアルジェリア植民地戦線がえりでダークサイドを抱えており黒人の男の子の養子がいるのだが。その溺愛ぶりが近親相姦っぽくもあり同性愛っぽくもあり少年愛っぽくもあり。とにかくフィルムノワール的ヤバさ100パーセント。またピアニストの幼なじみの女流カメラマンも音楽事務所の一階に事務所スタジオを開いてて。夫婦と三角関係っぽいだけでなく複雑な関係っぽい。カメラマン自身レズっぽく女のくせに女のヌードを撮りまくってるし。
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