うかりシネマ

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

平成ガメラシリーズの金子修平が監督しており、ゴジラを英霊の怨念、バラゴン、モスラ、キングギドラを大和を守る「守護聖獣」と設定したオカルティックなものとなっている。しかし、これが時間の空いた単発のリブートならともかく、ゴジラは積み重ねた歴史を以てリアリティを担保しているので、ガメラのように演出するのはオーバー気味。

ゴジラのデザインは昭和風でありながら白目を剥かせて、『2000』とは違った方向性で恐怖感をアプローチできているし、モスラとキングギドラの共闘も珍しいが、過去作の逆張りの域は出ていない。
『リング』以降、霊の鎮魂を霊能者を使わずにいかに行うかがホラー・オカルトでは求められており、それを「霊魂を磁気に、石をディスクとする」としたのは面白いが、これも明快なバトルや防衛を主軸としたゴジラシリーズでやることではない。

4体の怪獣が矢継ぎ早に登場し、それが終わるとゴジラがバラゴン、防衛軍、モスラ、キングギドラと連戦し、テンポよく進んでいく。
バラゴン戦のミニチュアは出来がよく、怪獣プロレスてしても激しい衝突で満足。
モスラ・ギドラ戦は操演による飛翔が少なく(ギドラに関しては前半はただ歩くだけ)、迫力に欠ける。
ビルやバラゴン戦の駐車場がウルトラっぽい合成だったのは、『×メガギラス』の路地裏のミニチュアがよかっただけに残念。

打ち込み系の音楽も怪獣映画という感じがせず終始馴染まなかった。
平成ガメラ的なオカルトとの食い合わせが悪く、ゴジラの悪役化もキングギドラとただ置き換えただけのせいでシナリオ的な意味しかなかった。