うかりシネマ

ハプニングのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ハプニング(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

特定の場所で自殺者が連続する事故が、アメリカ北部で発生する。範囲は拡大し、都市部から過疎地に波及していく。これはテロなのか、超常的な力なのか、何をトリガーに自殺を引き起こすのか……。

“厭な死に方”のバリエーションを見せる冒頭は面白いが、それを続けることはできず、中盤からはどうしても“人”の話になり、失速していく。それ以降もシチュエーションは面白いけど、自殺化(=ゾンビ化)のようなスリルはなくなり、そのシチュエーションに乗り切ることができない。
本来なら視点を固定した時点で死を劇的にすべきだが、悪い意味で淡々と死んでいくだけ。一部のシーンは血飛沫がCG丸出しなのも悲しい。

「自殺化の原因もトリガーも分からない」が根幹なせいで、後半は自殺スリラーとしての機能すら失う。
終末ものとしては『サイン』と全く同じシチュエーションで飽きる上にあちらの方が面白い。適当な擬似家族でストーリーを誤魔化しているのも悪印象。主人公のどうせ死なない感も興醒め。
ガイア理論をやるなら10年遅いし、それが正しいか分かりませんよ、ということなら不可分のまま面白くしないと成立しない。何も解決していないというラストをやりたいのは分かるが、だからといってこれが怖いわけでもなく。