フェリーニの「カビリアの夜」を変則させたかのような演出に大感動。サンタコスで踊り回る群衆の中を突っ走る主人公の信念はたくましくさと同時に弱さも滲み出ているのがハートフル。あの逆撫るようなアングルも素晴らしい。きみの鳥はうたえるのラストみたいに人間の心なんてちょっとしたことで180°回転してしまう。そんな人間味が溢れた素晴らしいクライマックスだった。
人工的に作られたtheデートスポットを別の視点から描き別の付加価値を生み出す英勉のセンスには毎度脱帽しかない。
美術、型、ディープさは違えど、少女漫画の実写とヨーロッパの傑作男女劇(ジャンルノワール、フェリーニ、ゴダール等)にある根本的な所は同じなんだと再認識させられた。