電気羊

妹の電気羊のレビュー・感想・評価

(1974年製作の映画)
3.7
秋吉久美子と林隆三主演の神田川のシングル「妹」とコラボした映画。
それはそれとして、俺の目的は「俺のアンヌ隊員が!」とかで興奮したアンヌ隊員=ひし美ゆり子嬢のセックスシーン。
ひし美ゆり子嬢はウルトラセブン放映時20歳、それから6年後だから26歳か。まあ永遠に美しいですね。

オープニングから神田川の「妹」が流れ、カラーテレビ、ちゃぶ台、扇風機等、昭和テイスト爆発。
昭和63年生まれで今年、還暦の俺の小学5年生の時の情景が数多く登場する。

鎌倉で同棲していた彼氏と喧嘩別れをした妹:秋吉久美子が、実家の兄:林隆三の元へ戻ってくる。
実家は両親が食堂を営業していたが、両親の死後は食堂を廃業して兄が大学生相手の引っ越屋の事務所として住んでいた。
妹は喧嘩別れをしたもの未だに彼氏への未練があり、行方不明になった彼氏の行方を、彼氏の家族の元へ訪ねるが、富豪の彼氏の一族から財産目当てだろうと追い返される。

兄は、そんな妹を不憫に思い彼氏の姉を海岸に呼び出すが、勢いで姉を脱衣所でレイプしてしまう。
今では考えられないが、当時は女性を殴ったりレイプは子犬に咬まれたレベルのもので犯罪扱いとはならないものだったらしい。
「俺たちの勲章」でも松田優作演じる中野刑事が女性をやたらシバキ上げていたし。

なので、家族がレイプされたにもかかわらず、その後、彼氏の一族も態度を軟化し、妹を受け入れてくれるようになる。
兄は実家が地上げ屋の嫌がらせにあっていたこともあり、実家を売って妹のために結婚衣装を用意し写真館で撮影をする。
その後、妹を鎌倉の彼氏一族の元へ送り出すが、レイプした女性から妹が家出した手紙が届く。
ここら辺が凄いところだが、レイプされたのにさらっと相手と打ち解けているのが昭和イズムだったのか。

兄は知人から妹は尼寺へ出家したが、付近の寺の若い僧と駆け落ちしたのが最後で後は行方は分からないと告げられる。
兄はおでんのキッチンカーを製作し、あちこちを移動しながら妹の行方を探すのだった。

そしてエンドで流れる「妹」…昭和は遠くへなりにけり。
電気羊

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