電気羊

アンブレイカブルの電気羊のレビュー・感想・評価

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
3.8
ナイトシャマラン監督のミステリー3部作の1作目。
最後のドンデン返しがなかなか、おっ!ってなった。

生まれつき骨密度が低いため容易く骨折することから”ミスターガラス(サミュエル・L・ジャクソン)”と呼ばれている男がいた。

男は身体の丈夫なヒーローに憧れ、希少価値のあるヒーローコミックの原画のバイヤーを生業としていた。
だが、ある日、列車の脱線事故で全くの無傷の乗客1名以外が死亡する大惨事が発生する。
ミスターガラスは、生まれながらにしてすぐに怪我をする自分と対局に怪我も病気もしない自分を助けてくれるヒーロー体質の人間が実在するのではと常々考察していたのだ。

ミスターガラスは、多数の人間が犠牲になった飛行機事故や火災列から生還した人間、そして今度の事故から3度も無傷で生還した大学警備員の男(ブルース・ウィリス)と面会する。
ミスターガラスは、警備員に生まれながらのヒーロー体質なのでは?と問いかけるが、警備員はプールでおぼれて肺炎になり死にかけたことがあり、ヒーロー体質などではないと答える。
ミスターガラスの問いに警備員と一緒に面会した警備員の息子は、父親が怪我も病気もしたことがないことを知っており、ひょっとしたらヒーロー体質ではと疑うようになる。

息子は父親を試すべく、父親がベンチプレスをしている時に全ての重量をこっそり付けたところ、警備員がなんなくベンチプレスをしているのを見て、父親がヒーロー体質であることを確信する。
その結果、父親に銃を発砲しようとするが、寸前で思いとどまり事なきを得たのだが。
実はミスターガラスも過去に溺れて肺炎になったことがあったのだ。
ガラスのように簡単に割れる=怪我をするミスターガラスとアン・ブレイブル(破壊不能)の特殊能力者は、二人とも泳げないという共通点が存在した。
警備員は、不老ではないが不死身の肉体に加え他人の罪の意識に共感する能力があり、犯罪者が近くにいれば発見する能力も持っていた。
警備員はミスターガラスに、遂に自らがヒーロー体質であることを認め、サイコキラーに殺されそうになっていた少女二人を救う。

警備員は、自分のあるべき姿を認めることに手を貸してくれたミスターガラスの元を訪れるが、そこでおそるべき真相を知る。

かつて多くの犠牲者を出した飛行機爆破事故や、ホテル火災、そして列車事故は、ヒーロー体質の人間を見つけ出すためにミスターガラスが仕組んだテロ行為だったのだ。

あまりのことにショックを受けた警備員は、警察に通報し、ミスターガラスは精神病院へ強制入院措置が取られたのだった。

いやいやいや、人生の目的のためなら他人の犠牲を厭わないとか立派なサイコパスやろ。
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