やねぎ

屋根の上のバイオリン弾きのやねぎのレビュー・感想・評価

屋根の上のバイオリン弾き(1971年製作の映画)
4.2
とにかく変化を求めるなら観たほうが良い作品だと思います。
何気ない日常が移り変わる描写が連続で過ぎ去っていくけれどもその姿は私たちの目の前で起こり得る事でもあります。年齢がいくつになっても柔軟に物事を取り入れていくべきかそれとも伝統を突き通すべきかはその変化の度合いによるんですね。
一個人で解決できない事象には周りと同じように流れてしまうけれども考え方次第でその流れを楽しむことができればある意味有意義な過ごし方にもなるんだと教えてくれる映画でした。また、何かを守れば何かを失う可能性もあるんだよと言葉を介さずにわかるシーンや撮影方法も大変よくてしっかりと主人公の情とリンクしているカットシートが多くて写真1枚1枚には深い思いが隠れているのではないでしょうか。バイオリンというロシアでも古くから使われてきた楽器で音色を上手に起伏させることで臨場感もありましたしそれ以外でもみんなで踊るダンスはその場の空気感を一変させるチカラも備えていて単純だけど複雑な描写はまるで森などの人工的ではない何かを想像させる事もきっと容易いと思います。今の時代だからこそこの映画を鑑賞できて良かった。
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