このレビューはネタバレを含みます
息子の婚約者と肉体関係を持ち、その現場を息子に目撃される。
息子はショックのあまり、誤って柵を乗り越え、落ちて死んでしまう。
ラストのシーンで、
「人間とは一体何なのか。誰に理解できよう。その謎の糸口に思えるので人は愛にすがる。最後は虚しい。何もかも。」
とナレーションがはいる。
自分の欠如を他人で、愛という形で埋めようとするも、それは両者の状況が同じでなければ、愛としての偽装は成り立たない。一方が欠如の補填として愛を利用する時、それは愛ではなく、人に依存しているに過ぎないと捉えられかねなくなる。愛に客観性や主観性などという議論は一つ虚しさそのものであるが、どうしようもなく、人は依存という形式に陥りやすく、避けられ退ける。
愛してください。