べるーし

キングコングのべるーしのレビュー・感想・評価

キングコング(1976年製作の映画)
3.1
ゴジラVSコングが三月公開に前倒し!?うせやろ!?

油田発掘の為に未開の島へ探索に向かった船だが、その島に着くなり原住民に遭遇する。彼等が崇拝する”コング”という神は一体何者か?というストーリー。


怪獣映画の始祖たるキングコング初のリメイク。大昔から絶大な人気を誇る名作なだけあってリメイクにも相当なプレッシャーがあったであろうギラーミン。「タワーリングインフェルノ」の監督だから間違いなく傑作になる...と思ったらこれは.....。

正直、実物大のアニマトロニクスを使っておいて本編の9.5割が着ぐるみっておいおい...確かに特撮はかなり良く出来ています。何たってあれから40年後の映画ですから、最新の技術を駆使しているだけあるのですが、やはり凄さにおいてはオリジナル版のストップモーションには到底敵う筈が無く...という結果に。

オリジナル版を本当に素晴らしい名作足らしめたのは髑髏島に住む未知の原始生物だと思います。しかし今作にはそれが皆無で、登場するにしてもデカい蛇くらい。おいおいw 戦闘シーンにしてもT-REXと比べてもやはり地味でクッソ残念...。そこだけはクオリティがウルトラQに負けてるんではないかな。

あとリメイクにせよまんま過ぎるわ、キャラクターも背景説明が半分は台詞だけなので個性に欠ける仕上がり。あ、でも油田発掘という当時の世相を風刺していたのは良かったです。おかげで舞台が現代(1970年代)なんだな〜と。コングとヒロインの交流を描いていたのもオリジナルにはなく新鮮。

エンパイアステートビルから今は亡きワールドトレードセンタービルに舞台が変わっていたのは面白かった。おかげで、人間のエゴによって連れられた悲壮感をコングに感じられて、かなり効果的でしたね。それで言えば唯一オリジナルに敵う点かも知れない。

残念な出来ですが、中々憎めない映画です。
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