ハミングバード

Vフォー・ヴェンデッタのハミングバードのレビュー・感想・評価

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)
4.7
DVDジャケットのイメージで長らく鑑賞候補に上がらなかったことを後悔した。良くも悪くも老大国英国をゲームチェンジした嫌われ者サッチャー首相政権時代に出されたコミックが原作。ガイフォークスの仮面に象徴される人間の理性。理性を持つ一人の人間ではなく理性の集合。その良し悪しは別としていつの時代にも存在するガイフォークス的な強制的権力への対抗という人間の心理をコミック要素満載で描かれる。作品の中では、「モンテ・クリスト伯」や音楽等が効果的に用いられており、エンディングでのストーンズにはグッときてしまった。どこかの評論家が背景を理解しない日本人には受けないと書いたことを見事に裏切り評価が高い作品でもある。今の日本でもこれら作品がウケる理由がきっと存在するということだ。個人的にはVは不死身でいて欲しかった。ヒットラーやサッチャーを作り出したのも国民である人間の理性だったことはあまり考えずに人間が本来持つ抵抗の集合を楽しめました。仮面やそれらを継承したと思えるアニノマスの発生も気にはなっている。
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