衛星劇場
2017/06

国立映画アーカイブの「松竹第一主義松竹映画の100年」の一篇。1955年製作公開。原作沙羅双樹。井手雅人脚色、大曾根辰保監督作品。

鶴田浩二が主演になっているが、圧倒的にかっこいいのは笠智衆。旗本の用人鶴田浩二が主殺し、不義密通により入牢するのだが、牢奉行笠智衆は彼を無実と見抜く。そして彼を救おうと奔走するのだが、彼は頑として受け付けない、という謎解き。旗本を岡田英二、その細君を香川京子が演じる。香川京子を自分のものにしようと策謀する旗本に須賀不二夫。こちらの三人も見せ場たっぷり。

物語の展開のスピード感もさることながら、江戸の大火のスペクタクルが素晴らしい。大火で解き放った囚人たちが所定の場所に戻ってくるか否かのサスペンスも笠智衆の魅力が相俟って、観ているわたしも刃の上に乗っかっているよう。そして、ラストの笠智衆の差配。実に清々しい一篇。

• #大曾根辰保

高瀬舟を思い出した。
笠智衆がいい！