Omizu

怒りの葡萄のOmizuのレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
3.4
【第13回アカデミー賞 監督賞・助演女優賞受賞】
スタインベックの同名小説の映画化作品。アカデミー賞では作品賞他全7部門にノミネートされ、監督賞と助演女優賞(ジェーン・ダーウェル)の2部門を受賞した。

ジョン・フォードの名作とされる本作だが、思ったより普通の家族ドラマだなという印象。こんな話だったっけ・・・?もっと社会全体について語っている物語だったような・・・

終盤のセリフには胸を打たれた。トムが母親に語るシーン、ラストの母親のシーンは素晴らしい。警官が暴行を働いているときにも、そして子どもたちが遊んでいるときにも僕はそばにいる。そう語るヘンリー・フォンダの名演技。ラストに私たちは民衆だ、と語る母親の横顔。どれだけ虐げられても立ち上がるという熱い意志を感じて泣ける。

ただそれまでは良くも悪くも普通の家族ドラマだなぁ。ジョン・フォードらしいといえばらしいけど。

ストーリー展開の重厚さやキャラクターの描き込みは流石ジョン・フォード。非常によくできた作品ではあるが、期待したほど胸を打たれる感覚はなかった。ハードルが高すぎたのかな。
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