ハレルヤ

クリーン、シェーブンのハレルヤのレビュー・感想・評価

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)
3.6
精神病院を退院したばかりのピーター。頭に受信機、指に発信機を取り付けられていると思い込んで、一般社会に馴染めない。里子に出された娘を探す彼は、近くで起きた少女殺人事件の容疑者と考えられて警察に追われるサスペンススリラー。

長年隠れた衝撃作と言われていた本作。僕自身も最近になって初めて存在を知りました。不快指数がとにかく高いという話を聞いて、怖いもの見たさで鑑賞へ臨む事に。

とにかく主人公のピーターの描写が強烈。体に受信機や発信機を埋め込まれていると信じているので、劇中で流れるノイズや電波音は彼の幻聴を表しているもの。なのでそれだけでも不快度が半端ない。

そして痛々しい描写も強烈。発信機や受信機を何とか取ろうと頭の皮膚を抉ったり、爪を剥がしたりと目を背けたくなるほどの場面があるので、そういうのが苦手な人なら絶対避けた方が良いでしょう。久しぶりに見てて本気で身が縮む思いでした。

そんなピーターを演じたのはピーター・グリーン。常に不安を抱えている姿。でも娘に会いたい気持ちがある姿。台詞が少なくても表情で表現する演技力は流石でした。他でどこかで見たことあるような…と思っていましたが、セガール主演の「暴走特急」でのテロリストのメンバー。あの時も印象的な敵の1人でしたね。

不気味さを醸しながらもどこか不思議な美しさも感じられる映像も密かな見所。間違いなく二度も見たくない作品ですが、一度は見る価値はあると思います。
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