しちれゆ

アンナのしちれゆのレビュー・感想・評価

アンナ(1966年製作の映画)
3.6
本作が見る者を魅了するのは、昔 生活の中で普通に使われていたものが時を経てヴィンテージになることに似ている。

アンナ・カリーナの60年代ファッションの可愛さ、セルジュ・ゲンスブールのポップな音楽、シュールでカラフルな映像が2018~20年の今、″レトロ″という衣を纏って私たちを魅了する。熟成を終えてしまったかのような現在から振り返るとシンプルで熱かった60年代カルチャーはとても輝いて見えるのだ。

アンナ・カリーナも素敵だけれどチョイ役で出ているマリアンヌ・フェイスフルに注目!スウィンギング・ロンドンを代表するアイドルにしてミック・ジャガーの恋人であり『ルパン三世』の峰不二子のモデルとなったと言われる彼女の束の間の黄金時代の幕開けが本作であり、劇中『エンジェル・ボイス』と言われた美しい歌声を聴くことが出来ます。
これが1966年にフランス国営放送初のカラーTVドラマとして作られたものだということにも驚く。

追悼、アンナ・カリーナ。
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