このレビューはネタバレを含みます
炎のゴブレットを掻い摘んで2時間半の映画にするのは無理があったな…。掻い摘むだけでは、物語の謎に繋がる大事な情報がたくさん抜け落ちてしまう。
冒頭からいきなりバーティクラウチJr出てきちゃうし、ルードバグマンはほぼ出てこない。バーサジョーキンズは全く出てこないし、ウィンキーも出てこない。ドビーも出てこない。パーシーも出てこない。バーティクラウチJrの裁判の様子は原作とまるで違う。
原作では、様々な要素が絡み合って最終的に黒幕にたどり着くようになっており、物語の途中にはいくつもの伏線が散りばめられている。その様々な要素を悉く取り除いて、簡略化しているのが映画。残念ながら、原作の素晴らしいミステリーは映画では全く伝わらない。
だから、これは原作とは別の作品として見るべきなのかもしれない…。改めて映画化の難しさを思い知った気がする。
ミステリー要素とは関係ない部分で、原作と違うのが気になったところも書かせていただきます…(そればっかりでごめんなさい)。
まず、ボーバトンとダームストラングについて。映画を見るとまるで女子校、男子校みたいだけど、実際は共学。ボーバトンの男子生徒、ダームストラングの女子生徒は確かに物語にそんなに必要なかったかもしれないけど、誤解を与えてしまうのは良くないと思うな…。
それから、ハリーに「ゴブレットに名前を入れたのか?」って聞くダンブルドアの態度がめちゃめちゃ気になった。映画だとなんかめっちゃ怒ってハリーを問い詰めてるみたいだったけど、ダンブルドアってそんな簡単に感情の起伏を見せる人じゃない。原作では"静かに"聞いたって書いてある。
ハリー、ロンの仲直りシーンは原作が本当に本当に大傑作だからそのまま映像化して欲しかった。
それから、パドマパチルはグリフィンドールではなくレイブンクロー!!キャラクターの寮を勝手に変えるというのはよろしくないと思うな…。主要キャラじゃないからいいかと思ったのかもしれないけど、ハリーを勝手にレイブンクローにしてるのと変わらないからね??
ハーマイオニーの髪型は前から気になってたけど今作は特に気になっちゃったな…。ユールボールのシーンで、見違えるようになるのが大事なのに、普段から可愛すぎる。第一の課題の時のハーマイオニーの髪型めっちゃ可愛かったけど、ハーマイオニーは髪型にあんな手間をかける子じゃないの…。ユールボールで、ハーマイオニーってこんなに可愛かったんだ…って男子達が気がつくのが良いのに…。ハーマイオニーは、もともとのボサボサの髪の毛を「スリークイージーの直毛薬」を大量に使って3時間もかけて髪の毛をセットしたんだよ…。普段からあんなに髪さらさらで、アレンジも自分でしてる子だったら、準備に3時間もいらないし、男子達は前からハーマイオニーの可愛さに気付いてるって…。
そしてそして、3つの課題についても原作と違う点がいくつも…。まず、ハンガリーホーンテールがあんなに飛び回る訳がない。第一の課題は、卵を守ろうとするドラゴンから金の卵を取ること。ドラゴンはむやみに代表選手を攻撃するためにそこにいるのではなくて、卵を守るためにそこにいる。だから卵から離れてまで代表選手を追いかけ回して攻撃したりはしないはずなのに、映画では会場を飛び出してハリーを追いかけ回してるではないか…。
第二の課題はマーピープルの歌の省略が悲しかった。原作の歌には「1時間のその後はもはや望はありえない
遅すぎたならそのものはもはや二度と戻らない」という節があるのに、映画ではそれが丸々なくなってる…。ハリーはこの節を真に受けてしまったから、ロンだけを連れて、他の人たちをそのままにしておくことが出来なかったのに。
第3の課題はもうなんか色々違いすぎて一個一個相違点を言う気にはならないけど、それでも私がここで言っておきたいのは、なぞなぞと蜘蛛とセドリックの行動について。原作ではハリーがスフィンクスから出されたなぞなぞを解いて、近道への道を開けてもらうシーンがある。原作では度々登場するああいう言葉遊びは、ハリーポッターの大事な要素でもあるからカットしないで欲しかったな…。それから、優勝カップ目前でセドリックに迫ってくるのは生垣ではなく蜘蛛。あれはハリーとセドリック、2人の魔法の力で蜘蛛を撃退するとってもいいシーン。なのに、なぜか映画ではセドリックを襲うのは生垣に…。そして、何より私が物申したいのは、優勝杯を2人で触るまでのセドリックの行動について。セドリックのハッフルパフらしさが滲み出るあのシーンをあんな一瞬で終わらせて欲しくなかった…。映画の間(ま)として、あのシーンにそんなに時間をかけるのは違うというのかもしれないけど、私としてはどうしても譲れない。セドリックはあんなにあっさり2人で触ることに同意したりしない。あの時セドリックは本気で優勝杯をハリーに譲ろうとした。ハリーが何度セドリックが取るべきだと主張しても、セドリックは「できない」と繰り返した。ハッフルパフの鏡とも言うべき行動をセドリックがとるこのシーンは、彼の魅力が最も伝わるシーンだったと私は思う。ハッフルパフの民としても、是非映像化して欲しかった…。
ヴォルデモートの復活のシーンは、本の方が何倍も怖くて、痛々しくて、緊張感があって、感動的でもあった。ハリーがヴォルデモートの服従の呪いに抵抗するシーン、光の糸から聞こえて来る不死鳥の歌にハリーが勇気づけられるシーン、何人もの死喰い人の呪文を交わしながらハリーが墓石の間を走り抜けていくシーン…どれも映像で見たかったな。
原作過激派な私の意見はここまでにして、以下は映画の良かった点
・ボーバトンの制服がめっちゃ可愛い
・双子(フレジョ)がかわいい
・ハーマイオニーの'It's not going to work!'の言い方が激かわ
・ボーバトンの生徒たちからフランス語聞こえてくるの良き。フラーとかマダムマグシームのフランス語訛りの英語も良き
・フラーがめっちゃ美人
・ハーマイオニーがハリーにハグするシーン大拍手
・セドリックめっちゃイケメンかっこいい
・ハリーの'Who wants me to open it? Do you want me to open it?'の言い方が、煽りの上手いアイドルみたいで神的に好き
・ロンのドレスローブをそんなのダサいから着たくないっていうジニーちゃん可愛すぎ
・自習?のシーンが学校ぽくて可愛い
・ハリーロンの頭押さえ込むスネイプ先生可愛い
・ふくろう小屋のシーンのチョウとハリーがぎこちなくて鬼かわいい
・チョウの髪型、声、喋り方全部可愛い好き
・ユールボールのセドリックとチョウ麗しすぎ
・パーバディとパドマのドレス姿可愛い
・フラーは美
・ジニーとネビル可愛すぎて無理
・ジニーのドレスめっちゃかわいいし、私的にどストライク。髪型もかわ〜〜!
・上がっちゃってニヤニヤしたりその場でくるって回ったりしてるハーマイオニー可愛い〜!
・「私を先に誘ってよ!」可愛いーー!!!ロンハー!