ぽち

夜のぽちのレビュー・感想・評価

(1961年製作の映画)
2.2
「愛の不毛三部作」の二作目って事だが、他の二作品同様かなり退屈な内容。

各賞などにも輝いたアントニオーニ監督の代表作という事だが、正直眠気との戦いという作品。
ゆったりしたテンポと雰囲気重視のどうでもよい映像、それに長回しと来れば、よほどストーリーに魅力が無いと睡眠導入映画となってもしょうがないだろう。

それに加え夫婦の危機を描いているそうだが、全くそう見えない。
これはお国柄の違いと60年という歳月のせいだろう。二人の心の動きが想像できないし、感情移入が出来ない。

そう考えると夫婦の愛というのは全く普遍ではなく、映画や文学で描いたときに時代や距離を超えるのは難しいという事だろう。

逆に若者の動物的な愛というのは原始的なだけに普遍に近いのだろうな。あと母の愛かな。

それに比べ夫婦の愛というのは何と薄いものか。
今作で描きたかったことはダイレクトには伝わってこないが、時代、国境を越えられないことが逆説的に夫婦の愛の危うさを表しているのは面白い。

まさかそこまで考えての作品・・・・ってことはないな。

それにしてもラストの「誰の手紙だ」「あなたよ」はいくらなんでも、無いだろ。自分で書いた手紙の内容忘れるか?

子守歌のような作品なので、不眠症の方にはお勧め。


余談。
いくら眠くなっても、ジャンヌ・モローの0.5秒ほどのサービスシーンを見逃すな!!

前半、入浴シーンから、夫にタオルを取ってもらい羽織る所。
これさえ見ればあとは寝ててOK。
ぽち

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