モニカ・ヴィッティ三部作、もとい「愛の不毛三部作」、この『夜』だけ何故かこれまで見逃してたので。
にしても、『情事』や『太陽はひとりぼっち』と比べると、この映画がずば抜けて破綻しているように思うんですが。話は余りに予定調和的だし、流れも大いに雑。私の思い込みかもしれないけど、アントニオーニは撮ってる最中に飽きてきちゃったんじゃないかしら?
これはやっぱり、やたら多作のディノ・デ・ラウレンティスの呪いかなんかだと思うわ。私の中では『オルカ』と並ぶくらい、「ケッ!」って感じでした。
もちろん、瞬間瞬間を切り取ると、ヴィッティのお下品な唇は当然のことながら、何よりジャンヌ・モローとマストロヤンニのどぎつく過剰な魅力が満載なんだけど、徹頭徹尾整理ができてないので、何ともちぐはぐ。
タイトルロール初っ端にラウレンティスの名前がデカデカとクレジットされた時点で「やばいなあ」と思った不安が的中しましたわ。
何はともあれ、一晩中華奢なパンプスで歩き回ったジャンヌ・モローのふくらはぎ、優しくマッサージしてあげたい。