内臓マン

マルホランド・ドライブの内臓マンのレビュー・感想・評価

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)
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まあ皆さんわかってると思うけど感想出ないよね…。

監督本人がインタビューで「音楽を聴くように見て欲しい」なんて言ってたけど、今の所それが一番感覚として掴めてる。
なにか具体的な事象があるわけでは無いが、感情としての物語は着々と進んで、最終的には帰結した感じがある。
だって今凄い気分悪いですから(笑)
胸糞映画見たあとですからこれ(笑)
なんなんだろうこの絶望感は…。

90年代かと思ったら違ったや。
でも何となくアメリカな、タランティーノな雰囲気があって良かった。見た目だけだけど。
ここらへんの作品群は人間の闇を感じさせるものが多い、そしてそれを補強するものとして人間の肉体への距離感の近さが見られる。(殺人も肉体、人間の内部を感じさせる)
本作においても、やたら肌やその交わりにクローズアップして、闇をあばこうとする姿勢を貫いていたし、今思い返せば、リンチは視覚に囚われないアーティストだったとも思う。
イレイザーヘッドでは終始ジメッとした体温を感じさせる音像が鳴り響いていたし、肉体に迫った時のあのおぞましさは忘れられもしない。
そしてリンチは油絵のアーティストでもある。触覚、味覚、聴覚、嗅覚が全面的に開放された作品を目指していたのでは、とも思う。
そのうえでやはり、不穏や感動の入り交じる空気の中、主演二人のあの交わりは映画史に残るインパクトがあった。

そしてこれはまだまだリンチ作品の中では序の口らしい。やべえ。
続けて「ロスト・ハイウェイ」を見ようと準備しているけど、どうにかなっちまうそうだぜ…。
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