しーかず

汚れた血のしーかずのレビュー・感想・評価

汚れた血(1986年製作の映画)
4.1
素晴らしかった。アート性が非常に高くて奇抜なカメラワークと演出。フランス映画らしい陰鬱な雰囲気をフィルターにかけずさらに濃くしたような世界観もかなり好みだった。青春、恋愛、犯罪、SF様々な要素が絡んでいて、トニー・ヴァラン演じるアレックスの若者ならではの恐れ知らずさ、野心、好奇心と、同時に併せ持つ未熟さがリアルで生々しく描かれていた。アンナの美貌やリーズとの不思議な関係性も作品の世界観をさらに美しくしてるし、あくまで恋愛主体ではなく犯罪絡みの「仕事」を軸に進んでいくことによってアレックスの人間性や周りとのやり取りが鮮明で楽しく観れた。愛の無いセックスによって感染するウイルスという設定もリアルな世界観に対して唐突にSFっぽさがあって良かったし、ガラスで丸見えの部屋やドアのセットや、デヴィッド・ボウイの曲でアレックスが全力疾走するシーンなんてかなり印象に残る大好きなシーンだった。
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