えそじま

こわれゆく女のえそじまのレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
4.6
ありふれた家庭や社会といった様式・伝統・感情的関係性の只中で、その影響から自由な「個人であろうとすること」が「狂気を得ること」になってしまうおそろしさ。(あっ、この人ちょっと変)って気まずい空気演出するのうま過ぎて怖かった。

子どもたちがまとわりついたり電話を何度もかけたり、大勢の友人や親戚に取り囲まれたり夫婦で愛を確認し合ったりすることも個人を制限し、個人にストレスを与えている。他人の影響に脆弱で、感受性が強く、あまりに表現豊かな人間は孤独に神経衰弱へ陥ることすら許されないらしい。みんなと一緒に演技しながら壊れる。

ファスビンダーの『不安が不安』はこの翌年に公開。
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