えいがたろう

こわれゆく女のえいがたろうのネタバレレビュー・内容・結末

こわれゆく女(1974年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大枠決めてあとは役者に任せているような、そんなインプロの撮影な気がして、役者の人は楽しいだろうなと思った。

はなから題名を無視して観てしまった。そして夫がメイベル化していく話なのかと思ったらそういう訳じゃなかった。家庭の不協和音を描き、妻の“私と一緒に楽しもうよ”が、夫には“私と一緒に狂ってよ”で、それができない夫の話なのか。

家庭はこうあるべき、妻とは、夫とは、子供とは。周囲からはどうみられるべきか。そういった理想がうまくいかない理由のように見えた。

思い込み、憶測、押し付けで全てが片付いたら体力使わないから楽だけども。そんな楽はしないで生きていけたら幸せだ。しかし、理想と現実の乖離が大きいほど、納得できないのかもしれない。

でも、相手がいてこその家庭だよなぁ。何かうまくいかないことがあったら、自分の理想を一度疑ってみようかな、いや、そんなもん捨てちまえ!押し付けられたほうはたまんねぇ!(…と一周しました)

世間体に縛られた夫からしたら、妻の言動は耐え難い。当たり前の言動をしているに過ぎない妻からしたら、それで病人扱いになるのは耐え難い。そうなったらもう戦争じゃないか。戦争になったら徹底攻撃か完全譲歩でしかまとまらなくないか?

最後のシーンは、この関係がずっと続く、終わらないことを感じさせられた。